「ナゴヤファッションコンテスト2020」最終審査結果
世界8つの国と地域からの応募を含む4,909点の作品の中から、6月30日の第1次審査会を経て、33作品がファッションショー形式の最終公開審査会に臨みました。
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最終公開審査会開催日
令和2年9月17日(木)
■審査員(敬称略)
中野 裕通(ファッションデザイナー)/審査員長
原 由美子(ファッションディレクター)
廣川 玉枝(ファッションデザイナー)
鷺森 アグリ(ファッションデザイナー)
■審査会場
ナディアパーク・デザインセンタービル3階 デザインホール
審査員による事前審査風景/滝会長から表彰を受けるグランプリ受賞者の川部竜雅さん
受賞した9作品/審査員との懇親会の様子
■主催
ナゴヤファッションプロモーション実行委員会
(構成:ナゴヤファッション協会・名古屋市・公益財団法人名古屋産業振興公社)
■特別協賛(五十音順)
株式会社ジェイアール東海髙島屋、株式会社大丸松坂屋百貨店、
株式会社名古屋三越、株式会社名鉄百貨店
■ヘア&メイク協力
MHMAPS・MBA(日本メナード化粧品株式会社)
■演出
辻井 宏昌(atom inc.)
■制作
株式会社ピスタチオ
■後援
中部経済産業局、愛知県、名古屋商工会議所
■審査員からのコメント
中野審査員長総評
ありがとうございました。本当にきれいなものを選んだつもりですが、やはりいちばん自分にとって必要なのは、何が正しいんだろうとか、何がいま必要なんだろうとか、そういったものを探していくことのような気がします。僕の中でも、やはりこれが正しいんだろうとか、そういったものを探して今でも生きているんですけれども、そうしたものを少しでも見せてもらったことに感謝申し上げます。どうもありがとうございました。
原審査員講評
私は他の3人の審査員と違って、洋服を作る立場ではなく雑誌などいろいろな形で洋服を客観的に見ている立場なので、少々違うかもしれませんが、この何十年かの中で今回が一番難しい審査でした。
デザイン画の時点でも大変だなと思いますが、作品ができてくると、「やっぱりこうできたか」とか「ここが難しかったんだな」というように、自分の中で点数の差をつけられたのですが、今回は本当に差をつけることができませんでした。これまでは、素材に力を注いで美しいものを作っていても、それを活かすにはちょっとやりすぎだったり、どこかを省いてほしかったりと、いろいろ注文を付けたくなることもありましたが、今回はその辺りもきれいに整理されていました。すごく考えているんだなと思う作品が多く、私もこのような状況は初めてでした。
自分の仕事でも、展示会などいろいろなことが中止になり、こういう時代に洋服にどういう役目があるんだろうと悩んだり考えたりしていましたが、コンテストの制作者の皆さんもいろいろな思いを巡らせて、心を込めて作られたんじゃないかと思うような、力のこもった作品が多かったです。洋服ってまだこういうことができるんだ、などいろいろな発見がありました。新しいクリエーションを見せていただき、いい機会を与えてくださっているという点で、反対に皆さんに感謝したい気持ちです。本当にすごいものをありがとうございます。
廣川審査員講評
受賞された皆様、おめでとうございます。他の参加した皆様もお疲れ様でした。このような状況で、まずはこの40回目のコンテストが無事に開かれたことを、すごく嬉しく思っています。
今回はどのような服が出てくるかと楽しみにしていましたが、みなさん平均的にすごく良かったです。でも裏返して言うと、抜きん出てすごくいいなというものがなく、奨励賞からグランプリまで平均的に優れているという印象でした。グラフィック、プリント、色使い、丈、バランス、スタイリングなど、色々な要素で複合的に服ができると思いますが、そのバランスがうまく組み合わされて表現できていたり、グラフィックだけではなく服として立体になった時に布が動くとか軽さがあるとか、そういったところがあるものは高く評価されていると思います。
このようにコロナで社会が大きく変化した状況であっても、皆さんが作るようなユニークな服は、心をすごく明るくする力があるんだなと思っています。今後も皆さんの頑張りや成長に期待をしています。
鷺森審査員講評
受賞者の皆様、おめでとうございます。他の制作者の皆様も、この大変なご時世に作品を作り遂げられて本当にお疲れ様でした。
私は今回、初めて審査員をさせていただくことになりました。2006年と2007年にこのコンテストに参加して賞をいただいたので、そのご縁で参加しております。
私の頃と比べてもあまり実がないかもしれませんが、一次審査ではその頃よりもグラフィックワークが上手だな、今日のショーではまとめていく力があるな、という印象を持ちました。平たい言葉で言えばセンスが良い方が多いなと思いましたが、「センスが良い」という言葉は危うい面もあります。
今回は、作りたいものに対していかに解像度があり、粒子が細かい作品を作れるか、というところを審査基準にしました。私も、ものを作る仕事をしていて、デジタルツールを使ったり色々な情報を見て作ることもありますが、そこを入口にしてどれだけその素材に触ったのか、多角的なアプローチをしたのか、そういう積み重ねが最終的に作品の迫力やたたずまいに出てくると思うので、そういったものが見えた作品に点数を入れました。その解像度を積み上げていくと、いつの日かあなたらしいと言えるものになっていくと思います。
今回受賞した、受賞できなかったというのは色々な体験になったかと思いますが、それよりは自分が作ったものを一度考察して、そこからさらに作りたいものを探したり、ここは自分らしかったとか、一回自分を褒めてあげて、また次に向かわれたものを見られれば嬉しいなと思います。ありがとうございました。
■グランプリ(副賞100万円)
川部 竜雅 【piece of peace】 文化服装学院 |
■ゴールド賞(副賞30万円)
國武 ひかる 【In the water】 大阪モード学園 |
■シルバー賞(副賞10万円)
岩瀬 さやか 【レンチキュラー】 名古屋モード学園 |
■奨励賞(6名・順不同)(副賞5万円)
■入選(24名・順不同)(副賞3万円)
安留 岳 【HORTUS CONCLUSUS】 東京モード学園 |
相宮 さくら 【Millitary×Rococo tone.】 大阪モード学園 |
前田 果耶 【movemento】 名古屋ファッション専門学校 |
太田 未夢 【Change】 中部ファッション専門学校 |
Deanna Goh Sue Xhien 【密林の王者】 東京モード学園 |
華 美荃 【半獣人】 大阪モード学園 |
福井 寧々 【Butterfly effect】 名古屋学芸大学 |
LIU GEJING 【『春』】 東京モード学園 |
DONG YUANYI 【GREEN WORLD】 東京モード学園 |
白井 七奈帆 【lotus】 中部ファッション専門学校 |
田中 遼佑 【SCHEIN】 奈良県 |
八木 結利香 【parallel world】 大阪モード学園 |
江 楚梦 【Adventure・グラフィティ】 文化ファッション大学院大学 |
原田 侑季 【Random Sashiko】 名古屋モード学園 |
中島 亜実 【チェスクイーン】 名古屋ファッション専門学校 |
石井 智恵 【籠】 杉野服飾大学 |
福田 大将 【Ninin Baori Jacket】 北海道文化服装 |
伴野 朱音 【答えはひとつじゃない】 名古屋学芸大学 |
白木 さくら 【Braille】 名古屋モード学園 |
中西 理貴 【オタク】 大阪モード学園 |
松原 璃乃亜 【Body temperature clothes】 名古屋モード学園 |
高橋 拓也 【共存】 北海道ファッション専門学校 |
中澤 沙月 【停滞からの脱却】 国際トータルファッション |
Cheng, Jiayi 【Free Phantom】 Shih Chien University |