「ナゴヤファッションコンテスト2023」最終審査結果
世界9つの国と地域からの応募を含む8,096点の作品の中から、6月5日の第1次審査会を経て、35作品がファッションショー形式の最終公開審査会に臨みました。
最終公開審査会開催日
令和5年9月14日(木)
審査員(敬称略)
中野 裕通(ファッションデザイナー)/審査員長
原 由美子(ファッションディレクター)
廣川 玉枝(ファッションデザイナー)
鷺森 アグリ(ファッションデザイナー)
審査会場
ナディアパーク・デザインセンタービル3階 デザインホール
審査員による事前審査風景/中野審査員長から表彰を受けるグランプリ受賞者の須田美咲さん
受賞した9作品/審査員との懇親会の様子
主催
ナゴヤファッションプロモーション実行委員会
(構成:ナゴヤファッション協会・名古屋市・公益財団法人名古屋産業振興公社)
特別協賛(五十音順)
株式会社ジェイアール東海髙島屋、株式会社大丸松坂屋百貨店
ヘア&メイク協力
日本メナード化粧品株式会社(MHMAPS)
演出
辻井 宏昌(atom inc.)
制作
株式会社ピスタチオ
後援
中部経済産業局、愛知県、名古屋商工会議所
審査員からのコメント
中野審査員長総評
受賞された方、本当におめでとうございます。デザイン画審査では応募点数が多い中で、良い作品はあるが飛びぬけている作品が少ないという印象でしたが、本日の結果に安心しました。
また、今回の最終審査会を通じて美意識の変化を感じました。100年ほどのファッションの歴史の中で美意識はフィックスされたと思っていました。例えば痩身の女性で、一回のショーで4、5作品をそつなく着こなすモデルが理想とされていました。今やメゾンでは一人一作品が当たり前になり、痩身よりも健康的に、女性が男性に媚びずに自由な体型で過ごす時代になりました。女性の服を男性のモデルで挑戦するデザイナーも現れています。実際できるかはわかりませんが、個性的なモデルの方に着てほしいとか、レディスの作品だけど男性のモデルに着てほしいなど発言してもらい、それが実現した際には、名古屋のファッションはいつも面白いと言われるようになるのではと思っています。
原審査員講評
事前審査では、作品の作りがしっかりしていて、使用した素材などに驚きました。実際に人が着てみたらどうなるかと思っていたら、予想以上に綺麗なシルエットや、細かく丁寧に作られた素材など色々な工夫がされていて、審査がとても難しかったです。
素晴らしい作品ばかりでしたが、改善点としては、素材一つ一つに細かくこだわり、デザイン画に忠実に作品を制作していたが、シルエットが似ている作品が多かったように思います。
また、3、4色の綺麗な色による幾何学的な組み合わせが多かったが、もう一度見つめ直して、ニュアンスを工夫すればより良いものになるかと思います。
色彩については皆さん一定の水準に達しているので、色彩を組み合わせる際は一つ一つの色と、それを組み合わせた時、また遠くから見た時にどうやって見えるか、という点に注意して改めて考えてほしいと思います。
廣川審査員講評
今回は独創的で素晴らしいユニークな作品が多く、私自身とても楽しんでランウェイを見ていました。
グランプリを受賞した須田さんの「空蝶服」については、以前他のコンペで今回のアイディアを使用した作品を見ていました。その時は残念な結果でしたが、今回はより工夫をして全く違う新しい表現を加えていて、これまでに見たこともないフォルムのユニークな表現となっていて大変感心しました。他の作品も表面だけではなく裏地もすごく綺麗に作られていて、思いがたくさん込められた一着の作品に仕上がっていました。
受賞できず悔しい思いをしている方もいるかと思いますが、約8,000点の中から選ばれて、どうやって作品を制作しようと真剣に自分と向き合った経験が何よりも素晴らしい事なので、その経験を更に発展させて、未来に向けて素晴らしい作品をデザインしてください。
鷺森審査員講評
事前審査の際には作品を着てみないとどうなるか分からない部分がありましたが、実際にランウェイで歩いた際には裏地まで美しく、また人が着用した際に美しく見えるシルエット、メリハリが生まれていました。熊、脳などを題材にした作品など、最終的にファッションとして昇華させようという気概を感じた作品が受賞したように思います。受賞していない作品についてもディティールまで凝って制作された素晴らしい作品ばかりでしたので、受賞できなかったことを気に病まず、もっとブラッシュアップして今後に繋がるような制作活動を続けてください。
グランプリ(副賞100万円)
須田 美咲『空蝶服』(レディス)
名古屋モード学園
愛知県
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ゴールド賞(副賞30万円)
鄭 信盈『papel picado』(レディス)
東京モード学園
東京都
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シルバー賞(副賞10万円)
鳥山 理央『BLOOM』(レディス)
名古屋モード学園
愛知県
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奨励賞 (6名・順不同)(副賞5万円)
常川 遼太『BRAIN』(レディス)
東京モード学園
埼玉県
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社本 七菜『Line Groove』
(レディス)
名古屋モード学園
愛知県
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井上 勝将『ゆがみ』(レディス)
大阪モード学園
大阪府
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成瀬 擁汰『Layered Shadow』(レディス)
国際ファッション専門職大学
東京都
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近野 友香『Red Bear』(レディス)
国際トータルファッション専門学校
新潟県
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山中 結依『白昼夢』(レディス)
名古屋学芸大学
愛知県
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入選(26名・順不同)(副賞3万円)