ファッションを学んだ学生のその後Vol.1
JICA岐阜県デスク 各務茉莉さん
ご自身の持つ服飾の知識を活かし、青年海外協力隊員として海外で活躍された各務茉莉さんにお話しを伺いました。<各務茉莉さん略歴>
2007年 名古屋モード学園卒業
2009年 青年海外協力隊の服飾隊員としてガーナへ派遣(約2年間)
2012年~ JICA岐阜県デスク 国際協力推進員
■現在のお仕事を教えてください。
JICA(国際協力機構)の岐阜デスクで国際協力推進員を務めています。国際協力推進のためのイベントの開催や、学校などで協力隊の経験をお話しする広報活動、岐阜県出身の隊員のサポートなどをしています。
■ガーナに行くまでの経緯とガーナでの活動を教えてください
名古屋モード学園卒業後、神戸にある企業でパタンナーとして勤めました。体調を崩して離職した後、協力隊員だった叔父の影響で、協力隊に関心を持ちました。協力隊には「服飾」分野での派遣があることを知り、応募しました。
ガーナでは国立技術短期大学でデザインの指導にあたりました。情操教育があまり知られていないガーナでは、絵を描ける学生がほとんどいないため、デザイン画を実際に描くための基本を指導しました。また、飲料水の入っているビニール袋を素材として、洋服を制作し、リサイクルの概念やデザインの楽しさを伝えるショーを開催しました。
■ガーナで大変だったこと、よかったことは?
日本人がめずらしいため、通り過ぎる人から頻繁に不快な呼びかけをされ、対応が大変でした。
また、ガーナの状況(女性はほとんど同じデザインのツーピースを着用)からデザイン画教育の必要性に悩んだこともあり、モチベーションをキープすることに苦心しました。
一方で、長期間、現地に住んでみたからこそ世界には大きな市場があり、自分もまだまだできることがあると実感することができました。国際協力に携わっていきたい気持ちはガーナでの経験を経て明確になり、現在の仕事につながっています。
■学生の時にやっておいてよかったことは何ですか?
とにかく真剣に授業や課題に取り組んだことです。学校の授業は社会で通用しないという意見も聞きますが、学校で学ぶ基礎があるからこそ、社会人の一歩を踏み出せるのだと思います。
■各務さんの今後の目標を教えてください
自分の大好きなファッションを通じて、アフリカの支援をしていきたいと思っています。
■若手の方々へのアドバイスをお願いします。
真剣に授業や課題、仕事に取り組むことは大前提として、一度は日本の外に出てみてほしいと思います。日本を外からみることで、海外でしか気が付けない新しい発見がたくさんあります。皆さん自身の世界を広げ、色々なことに挑戦して頂きたいです。